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高齢者は運動習慣があったほうが良い?②

高齢者が運動する時間と頻度の目安

前回に続いて、運動する時間と頻度についてご紹介します。
高齢者が運動のメリットを得るためには、どのくらいの時間や頻度が必要なのでしょうか。

①30分以上の運動を週2日以上行う
この基準では、日本人の全世代に向けた運動量の目安を30分以上・週2日以上としています。筋力や持久力の維持向上のため、高齢者では認知症予防のためにも、このペースでの運動が必要とされています。
取り組みやすい強度や回数で運動を始め、30分以上・週2回以上を目指しましょう。

②生活活動も含めて毎日40分以上動く
65歳以上では、「横になったままや座ったままにならなければどんな動きでもよいので、身体活動を毎日40分以上行う」ことが基準になっています。これは、生活習慣病や生活機能の低下を防ぐことを目的とした基準です。
運動以外にも、洗濯や掃除、階段での移動など、日常生活での活動も身体活動に含まれます。スポーツ以外にも、種類を問わず動くことを生活の中で意識してみましょう。

③まずは1日10分動く時間を増やす
まったく運動習慣がない人は、いきなり30分の運動や40分の身体活動は難しいかもしれません。その場合、まずは1日10分から動く時間を増やすのがおすすめです。生活習慣病や生活機能低下のリスクが減少するといわれており、身体活動基準でも推奨されています。

※厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」

高齢者におすすめの運動

①テレビを見ながらストレッチ
テレビを見ながら座ったままできる運動を行い、活動量を増やしましょう。

【座ったままできるストレッチ・体操】
★足首の曲げ伸ばし:脚を伸ばし後ろに手をついて座り、足首の曲げ伸ばしを繰り返す
★お尻伸ばし:脚を伸ばして座り、片方の膝の裏に手を添え、膝を胸まで引き上げる
★内もも伸ばし:足の裏を合わせて座り、両膝を外側に開いて上体を軽く前に倒す
★腰や膝伸ばし:脚を伸ばして座り、手でつま先が触れるまで上体を前に倒す
★おしり歩き:脚を伸ばして座り、お尻を片方ずつ前に出して移動する(後ろにも移動する)

②トイレに立ったついでにストレッチ
トイレに立ったついでにストレッチや体操を行い、運動量を増やしましょう。

【立って行うストレッチ・体操】
★腰回し:手を腰に当て、円を描くように回す
★上体ひねり:右手を斜め左上にあげながら上半身をひねる(反対側も行う)
★トイレから出る前に立ち座り:スクワットのように、洋式トイレの便座に立つ・座るを繰り返す
★体側伸ばし:手を伸ばして頭の上で組み、横に倒して体側を伸ばす(左右それぞれ行う)
★壁押し:壁に両手をつき、腕を曲げて軽く体重をかける

③ウォーキング
ウォーキングは、無理なく実践できる運動の一つ。出かけるときに少し遠回りする、遠くの店まで買い物に行く、バス停一つ分歩くなど、生活の中に組み込んで行うのがおすすめです。
より効率よく筋力や持久力を向上させる方法が、普通の速度の歩行と早歩きを交互に行う「インターバル速歩」です。
インターバル速歩では、「ややきつい」と感じる程度の早歩きで3分歩いた後、普通の速度で3分歩きます。回数の目安は1日5セット以上、週4日以上が効果的です。5セットは一度に行っても、朝と夜など数回に分けて実施してもかまいません。
インターバル速歩は筋力と持久力を向上させるだけでなく、生活習慣病の改善、膝痛の軽減、骨密度や認知機能の改善にも効果が示されています。

④椅子スクワット
★足を肩幅に開く
★視線は前を見て、椅子からゆっくり立ち上がる
★ゆっくりと座る
椅子を使うことで、普通のスクワットより負荷を減らせるでしょう。股関節の曲げ伸ばしを意識することで、膝への負担がより軽くなります。

⑤腕立て伏せ
★肩幅より少し広めに手をつき、膝を揃えて床につける
★頭から膝まで一直線の状態を保ちながら、肘の曲げ伸ばしを繰り返す
★二の腕や胸の筋肉を鍛えられる運動です。5〜10回を目安に行いましょう。膝を伸ばした通常の腕立て伏せよりも、負荷を減らして実施できます。足を肩幅に開く
★視線は前を見て、椅子からゆっくり立ち上がる
★ゆっくりと座る
椅子を使うことで、普通のスクワットより負荷を減らせるでしょう。股関節の曲げ伸ばしを意識することで、膝への負担がより軽くなります。

いかがでしょうか。決して無理はせず、水分補給を十分に行いながら少しずつチャレンジしてみましょう。